2012年 07月 19日
よく晴れた暑い日に |
『このカメラは、おいくらですか?』
って尋ねたら、
『それ、売ってた人が亡くなっちまったもんでね~、値段がすぐわからんのだわ』
と、言われました。
何度か通ったお気に入りの古物屋のご主人が、最近他界されていました。
商店街を回っている途中、お友達に「そう言えば…」と切り出され
聞いた瞬間は「あぁ、そうか。」と極フツーに受け止められたのに、
このカメラの値段を尋ねたときの返事を聞いたら、
あのおじちゃんが亡くなったという現実が、
じわじわと悲しみとなって広がり、どうしようもない気持ちになりました。
『ボクねぇ、すい臓がんなんだわ。でも全然死ぬ気がしないんだよね~。』
明るくフツーに話をしたのは一年ちょっと前くらいだったと思う。
小さなお店の中は、ごっちゃごちゃでヘンなものが山積み。
でも、いいものをたくさん見つけさせてくれました。
生きてる、生きてくと、こういうことがあるのだと思わされることが
40も半ばを過ぎると、残念だけど、どんどん増えて来るんです。
『仕方ない。』
友達から打ち明けられた時、口から出たのはその言葉でした。
でも、
おじちゃん、今までありがとう。
お湯飲みや重箱や、あのお店で見つけたいろいろ、大切にしてるよ。
元気な顔だけ思い出せるから、しばらくお見かけしなかったことも
今となっては良しだと思っておくね。
にほんブログ村
にほんブログ村
by pinecone_la
| 2012-07-19 21:22
| ひとりごと