2011年 09月 24日
締めくくりの言葉 |
俳優の杉浦直樹さんが亡くなられたと、ニュースで知りました。
最期の言葉は「私の人生、メデタシ、メデタシ。」
最後の最後にそんな言葉を残していけるなんて。
ニクイ旅立ち方をされたものです。
杉浦さんはスキでもキライでもないけど、やけに印象が残っている俳優さん。
いろんな作品に出ていらっしゃいましたが、私の一番は、昔見た向田邦子原作の
テレビドラマ『あ・うん』です。
全く明るい感じのない、地味でゆるやかに淡々と進むお話。
全く子供向きではなかったと思う。
でもかかさず毎回見ていたと記憶してます。
エッチなシーンも、ドロドロの問題も起こらない。
そう、あからさまには。
だから逆に、あの炬燵のシーンを忘れずに覚えているのかも。
そう、親友の妻に思いを寄せる男(杉浦氏)が、コタツの中で、
その女性と足を触れ合わせるシーン。
コタツの外は、何事もないような会話だったか沈黙だったか。
気づいているのに、そ知らぬフリの男と女。
あぁ、大人にはこういう世界があるんだと、小学生の終わりか中学生くらい
だった私は、深い含蓄を得たかのようにドキドキしたのでした。
あの作品、向田邦子さんの事故死で未完に終わってしまったんだっけ。
自分も知る、昭和世代の方が、またひとり去っていかれたと知り
ちょっとしんみり。
ご冥福をお祈りいたします。
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by pinecone_la
| 2011-09-24 00:49
| ひとりごと